ハイビスカス
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−−私は右半身がマヒである。 七沢で入院するとき、医者の問診があった。 医者が身に付けていたものをベットの上に並べてテストしたのである。 ベットの上には、ボールペン、万年筆、定期券、百円硬貨などが並べられたのである。 最初の品物は言えた。「ボールペン。」 その次は、万年筆である。 そう言った筈なのに、耳が聞いた言葉は、「ボールペン。」 定期券のときも、「ボールペン。」 みんな笑った。心で泣いた。 転院に付いて来た次兄が、真っ赤になって部屋を出ていった。−−
とあります。 あれから、もう15年になります。
次回からは、パソコンに助けられ、社会復帰し、自立したことを中心に、 病後書き溜めた文や、東京都江東区で作った「すずめの会(失語症の人の会)」(1985年−1994年)の会報で発表した文章などに、手を入れながら書いていきたいと思っています。
発病から書き溜めていたものへ
記念館 Copyright © 1998 記念館. All rights reserved. 最終更新日: 1998/08/07