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木場の街跡(昭和61年春)

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「すずめの会」の会報に載せた文の中から、掲載することにしました。
引越した木場は、当時寂れた街でした。
木材問屋達の建物は取り壊されて、街は一面草茫々だったのです。(写真参照:ポラロイドなので変色してしまいました。現木場公園)
マンションはその端に建っていました。そこから、会社や病院、センターや日本橋の丸善、秋葉原に通ったものです。
掲載した文は、原文のままで載せました。
失語症になって、助動詞や助詞の使い方に混乱がきて困り悩んだ結果、以下の文が出来たのです。
「に」について、皆様のご意見を戴ければと思っています。

昭和60年7月

クイズ「おもしろゼミナール」(NHK7月7日放送)で、老人問題を取り上げていた。
「・・・現在、65才以上の人の割合は10人に1人、30年後(2005年)になると、5人に1人になる。」と云っていた。 10人に1人と云うことは、10パーセントと云うことかナ・・・。
岩波書店の古語辞典の巻末の基本助動詞解説によると、「に」と云うのは、「最も基本的な意味は、存在し、動作し、作用する場所を”そこ”と明確に指定する意である」という。
”そこ”って、何だろう?
そうだ、こう云う場合もありうるんだぞ!

町で歩いていたらチンピラにからまれて喧嘩したのだが、何しろ、3人に1人なので・・・と云う時は、3+1=4人を指すのである。

この場合、「3人に1人」と云うのではなく、「3人と1人」と云うのかもしれないし、どっちでも良いのかもしれないが、「3人に1人」と云っても差し支えがないようだ。

それに、古典に「月にむら雲、花に風」と云うように、事物を並列するときに「に」を使うことがあるから、「3人に1人、5人に2人」と云うことが出来る。

とすると、10人に1人ということは、1/10*100=10パーセントでなく、分母が1人プラス10人イコール11人として、1/11*100=9%になるんだ!

ダイヤモンド社の経済問題の基礎知識(昭和52年版 家にはこれしかなかったので)を開くと、同じような文が出ていた。

「・・・現在では、生産年齢人口9人に対して老人1人の割合であるが、2000年には5人に1人、2200年には3.6人に1人となると予想されている。」

「10人に1人」と云うところを、「9人に対して1人」と云っているんだ!

ちんぴらに絡まれた「3人に1人」の考えは、間違えているのかナ・・・。
しょうがない、「に」は「に」に任せよう!

日本語は難しいナ・・・。




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最終更新日: 1998/12/18