後藤:
(G) |
こんにちは。全国失語症友の会連合会理事長の橋本さんに、今日はいろいろなお話をお聞きしょうと思います。よろしくお願いします。
橋本さんとは、「第5回全国失語症患者のつどい」(1987年:昭和62年)(昔は患者と云っていた)の際、橋本さんが実行委員長、私が総合司会を行なったりしていました。遥か昔のことですネ。 |
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それでは最初ですが、橋本さんはいつ頃発病したのですか?
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橋本:
(H) |
昭和51年11月17日で、山梨の韮崎で建築現場の主任者をやっていましたのですが、朝礼後、倒れてしまったんです。
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G: |
もう、25年も前になるのですネ。
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H: |
ええ、その時代は、日本の成長期でしたから、忙しくて他の総合建設業者の建築現場でも、主任者が倒れてしまうことが多かったんです。
34才でしたヨ。
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G: |
若かったのに・・、企業戦士のはしりですかネ・・。
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H: |
しかも、労災の中に含まれない時代なんですヨ。
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G: |
ああ、そうですね。労災なんか申請したいというと会社があわてましたよネ。
社会復帰はどうしたのですか?
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H: |
一年間入院しまして、翌年、会社に復帰しましたが、言葉が出ず、言語訓練に励みました。
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G: |
どんなことをやったのですか?
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H: |
STの元に訓練をしましたし、文章や数字を早く書けるように自分なりの訓練をしていました。
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G: |
期間は違うのですが、同じST(鈴木和子さん:現在聖路加国際病院)でしたネ。
橋本さんは、その頃から連合会に関係されていたんでしょう?
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H: |
リハビリの結果が自分なりに以前の自分の60%位になった頃、友の会を全国的に組織化するべきだと思うようになり、ボランティア的に連合会に参加しました。
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G: |
いつ頃なんでしょうかネ。
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H: |
昭和59年頃(1984年)で、28団体でした。
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G: |
私は昭和60年に「原宿の会」に入会しまして、刺激を受けて地域の会をつくりましたヨ。
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H: |
あの頃、会の急成長期でしたネ。
昭和63年には、86団体、STのいる施設数 568個所、ST数
920名(失語症便覧1989年版)になりました。
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G: |
現在の友の会はどうですか?
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H: |
友の会の加入数が134団体(2000年4月現在)で、参加人数は約4,800名です。
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G: |
おお、すごいですネ。
病院とかST(言語聴覚士)などの患者のための受入体制(社会インフラ)は、どうなっていますか。
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H: |
STがいる病院などの施設は約1,500個所で、STの人数は約4,700名弱(1999年度末)になっています。
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G: |
昔と比べてみたら、たいしたものですネ。
社会の変化とともに連合会の働きがあったからでしょうネ。
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H: |
しかし、約50万人といわれている失語症者に対して、ST数や施設数がまだまだ足らない状態なんですヨ。
連合会はそこを掘り起こしていきたいと思っています。
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G: |
その連合会は、どんなことをするのですか?
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H: |
いくつかありますが、
○全国大会を開催し仲間のふれあいを図る。
○福祉医療面で役に立つ書籍・ビデオを制作し友の会に配布する。
○東京都及び神奈川県の部で「ST訪問事業」を行なっている。
○会報等刊行物を制作し配布する。
等を行なっています。−−詳細はこちらへ
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G: |
なるほど、全国失語症者のつどいを開催するとか、機関誌「言葉の海」を発行したりしているのですネ。
毎年行なわれている大会については、如何でしょうか?
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H: |
今年は新潟大会(第19回)です。7月14日、15日の両日、新潟市の新潟テルサで行なうことになっています。是非、お出かけくだい。
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G: |
その後は如何でしょうか。
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H: |
来年の東京大会(第20回)は京王プラザホテルで開催予定ですが、やはり運営資金集めが課題になっています。
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G: |
理事長になっていろいろと苦労されていると思いますが…。
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H: |
そうですネ・・。最近の話だけでもすると、連合会の法人化が平成11年9月に認可されたことと、ST制度の制定などでしょうネ。
ST制度に関しては13年間厚生省に陳情しまして、やっと平成9年に制度化されました。
それで、先ほどの人数(約4,700名)になったのです。
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G: |
ご苦労様です。
お伺いしたいことが、まだまだ、いろいろありますが、この対談の終りに際して、連合会の今後の目標をお願いします。
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H: |
介護保険制度の中で、言語障害者も介護サービスが受けられるようになればと思っています。
退院後、言語訓練が保険で出来るようにしていただくことが大事になります。
この問題を政府が真剣に取扱うことが目標としています。
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G: |
橋本さん、長時間ありがとうございました。
これからも健康に留意され、益々の連合会発展のためにご活躍ください。 |
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