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26.アマルフィー海岸へ |
2002年 8月: |
ホテルから駅行きのバスに乗って、本日はアマルフィー海岸へ。駅前で長距離バスに乗り換える。アマルフィー海岸まで1人300円くらいで約1時間半のバスの旅。
南イタリアの物価は本当に安い。
アマルフィー行きのバス停で並んで待っているとほどなくバスがやってきた。待っていた人たちは全てうまく座席におさまったようだ。ポジターノというリゾート地が途中にあるので、アマルフィーまで最初にバスで入っていき、アマルフィーから船に乗ってポジターノへ寄りそこからバスに乗って帰って来るという計画を夫が立てた。
でもこれは後で失敗だったと判明。
1時間半の旅は美とスリルで満ちあふれている。
アマルフィーは海洋共和国としてローマ帝国滅亡後も地中海に君臨して栄えていたという。なぜか。土地がないのだ。土地がなかったゆえに海に出ていった人たちなのだ。岩壁にへばりついたように家々が並び崖っぷちに狭い道がくっついているような地形である。大型バスがやっと通れるくらいの道幅で、所々に対向車とすれ違うための場所が確保されている。道路はだいたいにして町の上を走っていて、その下に家々がひしめき、港へと続いている。
行きはバスの左側は岩壁、右は遙か下に海がみえる。思わずごくりと唾を飲み込んでしまう。落ちたら死ぬでしょう、・・・そう思っても口に出せないと言う真実がその重さを物語る。ああ、それなのに、こんなに道が狭いというのに、イタリア人は路上駐車を好き放題にするのだ。路上駐車の脇を大型車がすり抜けるための渋滞が至るところで起きる。
車の窓を開けていれば、木の枝や道の脇の家の窓の飾りなどが入ってきそうで怖いのだ。そしてそれらの家々は今までに何度も家の出っ張りをバスなどに壊されているに違いない。だからぶつかったら車の方が破損するように釘なんかを沢山打ち込んだ棍棒のようなガードをつけている家が少なくないのだ。顔なんか出していたらひどく危険。で、やっぱり運転手が飛ばすのだ。大型バスのお尻を振りながらカーブを切るのはやめてよね・・・何度心の中で叫んだことか。最初の頃は体に力が入って汗も出るし、疲れてしまった。しかし冷や汗もそのうち慣れてくるものだ。まわりを見る余裕が出てきた。
天気はいいし、海の色がやっぱり違う。おお、野生の山羊が岩肌にいるではないの!
!!まゆみ、感激。また所々岩壁にへばりつくようにレモンの木が植えられていて黄色い果実をたわわに実らせている。ここは太陽とレモンのめぐみの島だ。カモメが眼下を飛来するのを見るのもおつなもの。
さぁ、やっと着いたぞ、お尻が痛い。
バスを降りるともう目を開けていられない程のまぶしさ。エーゲ海のあのクレタ島の光に似ている。抜けるような思い切り黒に近い青さがそこにある。ううん、具体的に言うとすればパーカー万年筆の紺色に近いインクの色?そんな空の色・・・。
町の中心はだいたいにしてどこもドゥオーモ周辺。そしてバスターミナルから近い。
軒を連ねる店はその小さな間口狭しと大きなレモンをぶら下げている。レモンチェッロと言うレモンのリキュールが特産だ。様々な大きさ、形、色の瓶に入って売られている。それらのリキュールを見るだけで心が躍ってくる。まるで宝石みたいにみんなキラキラしている。下がっているのはレモンばかりではない。真っ赤な唐辛子(ペペロンチーネ)も綺麗に束ねられて軒を飾っている。その量と言ったら、凄まじきかな。
ああ、でもさすが国際的リゾート地。見るもの、さわるもの・・・みんな買いたくなってしまう。「欲しい、欲しい、欲しい!!!」買いたいのはやまやまだけれどここは軽井沢ではないのだ。簡単には持って帰れない。レモンチェッロも日本でも買えるからここでは試飲だけ。唐辛子も束になると重いし、日本ではすぐにかびそうだし、これも日本で買える。諦めて野菜の種をゲット。パプリカやルッコラは写真を見れば分かるが見たことの無いようなイタリアの野菜も結構あり12袋も買ってしまった。
束になると種も結構がさばるものであった。これは近所のイタリアンレストランのマスターに頼まれたもの。彼の友人が農業をしているので、そこで作ってもらうらしい。
そして収穫したものをお店に出すという。もちろん時々私も野菜をもらっているので、ギブアンドテイク。今から楽しみ。
レモンチェッロの試飲をしたら、お腹が鳴った。そろそろお昼にしましょう。ピッコロ・マンジャーレと言うレストランに入り、アサリのスパゲティと海の幸スパゲティーを。そしてカラマリ(イカの唐揚げ)、これはレモンをかけて食べると美味しい。・・・こうきたら、やっぱりワイン。
「ウーン、生きてて良かったぁ!」 |
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設営者:後藤卓也
設定期間:2001年3月15日〜2001年12月31日
管理:記念館
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最終更新日: 2002/08/15