失語症記念館
南イタリアの旅

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25.ホテルカラベル

2002年 7月:

 ソレントのポルトピッコロからタクシーに乗って予約を取ってあるホテルへ。港から少し走るとすぐに繁華街になりそこを抜けるとほどなく閑静な住宅街になった。私達の泊まるホテルカラベルは住宅地の一角にあった。敷地の中は辺り一面オレンジの木。オレンジ畑の中にホテルがあるという感じだった。
 テラスがオープンバーのようになっていて、まゆみ、夫の昼寝の隙を狙って1人ワインなどをなどを何度か楽しんだのであった。
 カラベルという名前からしてもちょっとドイツっぽいなと思っていたが、私達の後からドイツ人観光客が団体でドドッとやって来た。なぜかこの時期イタリアはやけにドイツ人が多い。私達のお部屋は玄関の斜め上くらいのところで窓からはオレンジの木と近所の住宅が見えた。
 ホテルを出て少し歩くと岩壁に出る。眼下に広がる海の青いこと。岩壁に張り付いたように建てられている色とりどりの家々がまた綺麗。岩壁の上は展望台を兼ねたちょっとした公園のようになっていて一角にバールがある。そこから少し脇にそれると半分トンネルというか洞窟のようなものがあり下に降りて行けるようになっていて海水浴場へ続いている。そこにはシーズン中開くのであろうレストランがある。夏になるとにぎやかなことだろう。
 さすがに散歩していてもナポリの町の中とは異なり上品で落ち着いた安心感が漂っている。
 本日はホテルで夕飯にシチリア風スペシャルメニューがあるという。繁華街に行くにはバスかタクシーに乗らなければならない。疲れていることもありここに予約を取った。
 しかしこれはあまりいただけなかった。なぜなら、結構本格的なシチリア風料理だったのだろうか、オードブルから大きなお皿に揚げ物のオンパレード。1人分だというのに特大のアランチーニ(ライスコロッケ)までついている。何もソレントまで来てライスコロッケをオードブルに食べたくないまゆみであった。こんなもの食べたら後何も食べられなくなってしまう。団体のドイツ人の熱気とにぎやかなこと、そしてこの揚げ物のボリュームにあっけなっく白旗!後は何が出てきても食べる気になれなかった。それにここのレストランは何となく全体的に大味だった。夫が「もう食べないの? しょうがないなぁ。」と嘆いたが、いつものように私の分まで食べる力は残っていなかった模様。ドイツ人団体が泊まるレストランで、この料理。名前もドイツっぽいし・・・ドイツ人がオーナーなんだろうか。
 部屋に戻ると疲れ果てていた私はあっという間に夢の中へ。本日は本当に朝早くから良く歩いた。だって今朝ナポリへフェリーで着いたんだもの。
まだ空が暗い早朝、ホテル中がガタガタしてどうしたのだろうと思ったら、あっという間に団体ドイツ人を迎えるバスが来てどこかへ行ってしまった。団体は国籍に関係なくにぎやかである。
 地図を見るとよく分かるが、ソレントはナポリ湾を挟んでナポリの対極にある。陸路はヴェスーヴィオ周遊鉄道で繋がっている。ソレントから鉄道でナポリへ行くとちょうど半分くらいのところにポンペイの遺跡が位置している。ソレントからなら30分くらいか。
 またナポリ湾から見るとソレントは突き出た半島のようになっているが、その半島の反対側にはポジターノやアマルフィー海岸と言った世界で一番美しいかもと言われる海岸線が続いている。カプリ島も近い。
 朝食は快適だった。団体客はとうに出発してしまったので、静かだし、朝日が燦々と入ってくる窓の外には一面たわわに実るオレンジの実が輝いている。南イタリアを感じる。やっぱり南はオレンジやレモンがなっていないと・・・だわ。
 今日はまだ疲れているので、遠出はやめてアマルフィー海岸にでも行ってみようと言うことになった。バスで一度駅に出てそこからアマルフィー海岸行きに乗ればいいわけだ。市内を走るバスはタバッキーで切符を買う。タバッキーというのはウーン、日本で言うと売店・・・キオスク・・・みたいな感じ、もしくは昔のちょっとしたガムや雑貨を置いているような煙草屋かな。
 ここで気をつけなければいけないのは、田舎や住宅地のタバッキーは開店時間が短いと言うことである。早朝は開いていないし、夜は早く閉まる。バス賃は大概非常に安いので、何度も同じルートを使うのであれば少し多めにまとめ買いしておいた方が無難である。
「ボンジョールノ!ボッレイ ドゥエ ビリエット ペル チェントロ アウト ブス!」これは市内へ行くバスの切符2枚を頂戴という意味のイタリア語であるが、ブスと発音するのに抵抗を感じるのはまゆみだけだろうか。ブスとはイタリア語でバスのこと。他の日本人女性はどうなのだろう。

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最終更新日: 2002/07/29