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W: ことばのリハビリはまだまだ普及していないのが現状です。
ご家族としては、どんなことをご希望なさいますか?
H: 最初に医師から「言葉は駄目です。」と言われた時「言えないだけ」と考えました。子供のあいうえおの本で教えればまた思い出すだろうとか、電子ノートとかワープロでひら仮名を押さえればいいだろう、とか思って実行しましたが 駄目でした。
言葉そのものが出てきません。
話せないだけでなく書けないことに気がつきました。
従って50音板を使うことはできないのですが、 現場の看護婦さんすら、「言葉が言えないのだったら 筆談しよう」とかいわれる事があります。
眼科の視力検査でも看護婦さんから、○の開いている方向を「右か、左か、下か、上と言いなさい」といわれますがとても難しく「検査不能」になって悲しくなります。
見える状態と同じように 空中に手で描くと開いている方向が示せるのに、言葉で表現させようとするから検査不能になるのです。
また、失語症は痴呆症なのだと思っている人や、障害は哀れなこと、という偏見がまだものすごくあるように思います。
カナダの友人も「リハビリして歩けるようになって、言葉も使えるようになった人が回りにたくさん居るよ。」とか アメリカの友人も前むきに、前むきに オープンに 理解を示します。
こうしてみると日本はまだまだ後進国だなあ、と思います。
言葉のリハビリを指導する専門家の言語聴覚士の普及は勿論の事ですが、広く一般の方々の理解もひろがればいいなあと思います。
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W: 医療関係者でもまだ理解が十分ではない、ということですね。
失語症の症状はひとりひとり違いますのでなかなか理解が難しい障害です。専門家であるST:言語聴覚士の資格制度化が遅れ、医療保険・介護保険の制度の中に適切に位置付けられていないこともあって、失語症の方への対応はまだまだ不十分です。
人と交流する上で最も大切なコミュニケーションする力に障害を受けた方々が必要な専門的サービスを十分受けられるように、また失語症をもった方々への社会の理解が広がるように私どもも努力して行きたいと思っています。
皆様の一層のご支援をお願いいたします。
今日は貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
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