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身体のリハビリと平行して言語療法をうけだすと脳の回路がつながっていくのかボーとわけがわからない状態からだんだんに人の判別がはっきりして来ました。
でも、何を聞いても「お話しましょ お話しましょ」 とか 「オヤスミ オヤスミ」を繰り返し繰り返し言うばかりで自分のいいたい事が会話にならず母の顔は曇るばかりでした。
それは残ったことばが繰り返し出てくる残語という現象であることを知りました。
家族も一緒になって言語の訓練を受ける中で、母とのコミュニケ−ションの取り方を勉強しました。
だんだん表情も豊かになり、複雑なことは言えないのですが、断片的なことばや指さし、動作などで私達とコミュニケ−ションが取れはじめました。
トイレの便座に長くすわらせていると「熱い!」と思わず声が出たり、 ズボンを下げるのをもたもたしていると「ハヨ−(早く)!」とおもわず私を叱ったりします。
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W: ことばのリハビリを始められたとき、歌が歌えるのがわかりましたね。
H: 言語のリハビリを始めた頃のこと 桃太郎さんの歌を先生と唄い出してびっくり仰天しました。
母の肉声を久しぶりに聞いて 本当に懐かしかったですが、母も「歌がうたえる!」ということが励みとなり、ますます 言語療法に熱心に取り組むようになりました。
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W: 歌の能力は右の大脳半球と関係が深く、失語症で左の大脳半球を障害された方も歌は上手に歌える方が大勢いらっしゃいます。
今日は、このあと、皆さんと一緒に歌を歌う時間を設けています。
声を出し、表現することでとても気持ちが晴れやかになると思います。
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W: 退院され、ご自宅に戻られてからの生活はいかがですか?
H: 自宅へ2ヶ月半ぶりに帰ってほっとする反面、今までとは違う現実に悲しくなる事も多かったのですが 介護支援のヘルパーさんがやさしくて親切に入浴介助に家まできてくださったり、リハビリ通院に送迎介助をしてくださり本当に助かりました。
良い時代になったなあという思いがいたします。
友人、知人、近所の人、親戚の人、孫達、毎日大勢の方が母に話をしに来てくださるので 実に良い言葉のリハビリになります。
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W: そうですね、住み慣れたご自分の家にいますと、おうちの中の様子もよくわかっていますから、ことばにできなくても指さすことができますし、ご家族が推測するのも、し易いですから、コミュニケーションが取りやすくなります。
また、長年の地域の友人や家族との交流が続けられるのでことばの回復にとっても、とてもいい環境になります。
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