失語症記念館
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W: 失語症の方ではことばを発したり、複雑な文章を理解するのは難しくなりますが、鼻岡さんのお母様のように状況判断や記憶はしっかりされているのが普通です。
ですから、患者さんの気持ちを理解し、ことば以外の方法もしっかり使って意思の疎通をはかることが大切ですね。
ところで、失語症、ということばの問題についてはいつ、どのようにしてお知りになりましたか?  
身体のリハビリだけでなく、ことばにもリハビリがある、言語聴覚士(ST)という専門家がいる、ということは前からご存知でしたか?

H: いいえ、全く知りませんでした。
「言葉は駄目です。言葉の回復は非常に難しい。」と医師からいわれ、ただ ただ 絶望に悲しんでいました。
「失語症」という言葉すら、知りませんでしたし、STのことも全く知りませんでした。悲嘆にくれてアメリカの友達にメールで母の状態を知らせたら、たまたまその友達が脳の事を研究している人で、メールで的確なアドバイスをしてくれました。
《あきらめない事。 ゆっくり語りかける事。今まで持ってた興味関心事を話しかける事。独りにさせない事》  さらに、《もし自分の母の事 だったら、良いSTを見つける努力をするわ》、といってアメリカの学会で有名な教授が自分の友人だから日本の一番信頼できるSTを紹介してもらってあげよう、といってメールで連絡を取ってくれ、「ラッキーだ 日本で一番良いSTが 広島にいたよ。Dr. Watamori だ」と。
それで綿森先生の事を初めて知りました。STの事も初めて知りました。
綿森先生からお電話で親切なアドバイスを頂き心丈夫になりました。
W: お話をうかがって、本当に同じ広島で、近くにいながら情報が伝わっていないことを痛感しました。
鼻岡さんと同じように、情報もなく、悲嘆にくれていらっしゃる方も多いのではないかと思い、第1回国際失語症週間にちなんで「ことばのリハビリ相談会」や、今日のイベント(「出会いと発見!失語症」)を行うことにしたのです。鼻岡さんのお母様は幸いお近くの病院でSTを受けることができるようになり、現在も週4回、外来通院されています。
言語治療を受け始めてから、お母様にはどんな変化がみられましたか?

H: 最初、声も出なかったものですから、ティッシュペーパーを口の前でフーと吹くことから始めました。
先生との訓練は楽しいもので、意欲を出しました。
しばらくして 《おやすみ》といわれましたよ と看護婦さんから ききました。

その2
その2

失語症と共に
失語症と共に

その4
その4


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最終更新日: 2000/04/28