失語症記念館 失語症と風景
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失語症の風景:11

沖縄大会:  沖縄はよいところだ!

言語聴覚士 吉田 真由美
水戸医療センター

2005年06月

 天気予報をずっと気にしていた1週間。みんなの予想を裏切って沖縄は梅雨明けを延長してしまった。私は水戸から12人の仲間と平成17年度の失語症者のつどい全国大会に参加するために、6月11日の朝早く水戸駅から電車に飛び乗った。あとで合流する組も入れると水戸からの参加は17名。

 沖縄の天気はずっと悪かったものの、土砂降りの雨は車での移動中やホテルの部屋にいるときで、外に出ようとすると決まって雨は一休み。沖縄の雨雲の上には沖縄の神様が乗っていてうまく調節しているらしい。不思議なことに誰に聞いてもみんな「車から降りようと思うと決まって雨がやむんですよぉ」と言っていたから、やっぱり沖縄は不思議な力が宿ったところなのだと私は思う。

 会場には、3時くらいに着いた。今回の私達は忙しい。来年茨城で大会をするので、そのアピールのためにブースを無料で提供いただいたのだ。水戸市内の菓子問屋さんから協賛いただいた納豆煎餅1100枚を筆頭に納豆飴や吉原殿中、胡麻納豆等、沢山のお菓子を大会時に無料配布する予定なのだ。ホテルに届いていた大量の菓子をどうやって運ぶか。これがまず最初の難題であった。
「車で迎えに行ってあげるさあ!」実行委員がすぐに迎えに来てくれた。ところが菓子を入れるざるも気の利いた箱も持ち合わせがない。
「作りましょう!」3人いれば文殊の知恵と言うが、STが集まれば、一人は箱のデザインをする、字を書く、何かを貼り付けると言う具合にあっという間に全くお金もかけずにそれなりに結構素敵な茨城ブースができあがった。

「喉乾いたでしょう?どうぞ、どうぞ飲んでくださいね。」ウッチン茶を人数分差し入れしてもらった。「足りなかったらいってくださいね。いくらでもあるさぁ」・・・沖縄の人って優しい!のどの渇いていた私はゴキュゴキュゴキュとウッチン茶をひと飲みに飲んでしまった。美味しくはないけど健康にはいいんだろうなあって味でした。
でものどが渇いていたので美味しかった。ちょっと変ですが、そうなんです。

 さすが沖縄、コンベンションセンターも素晴らしい。ちなみに茨城にはコンベンションセンターもホールもありません。

 さあ、準備が出来たら、急いでホテルに戻ってシャワーを浴びて懇親会だ!ホテルに戻ると「Sさんが、早速売店で泡盛を買って抱えていたよ」なる情報が入った。何とSさん、やることが早い。Sさんは今回、一人での参加だ。飲んべえだから、奥さんのいないことを良いことに好き放題やるつもりか?

 懇親会会場には続々と参加者が集まってきていた。松岡さんが私を見つけて、挨拶に来てくださった。一眼レフの見るからに高そうなカメラを担いでいる。浅野さん、みっけ!メールの会の人やしょっちゅう会っている首都圏の方々、毎年参加しているとすごく顔見知りが多くなっていたのに気が付いて改めて驚いた。

 沖縄の歌や踊り、その色鮮やかな衣装。珍しい沖縄料理の数々。耳も目も口も嬉しくて楽しくて、みんなニコニコニコニコ。目が下がっちゃってました。泡盛をゴキュゴキュゴキュと飲み干した。

 沖縄のクイズがまた面白かった。沖縄の子供は驚くと魂(ぬちぬぐい?)を落としちゃうんですって。魂を落としたままにすると命に関わるので、おじいやおばあと一緒に落としたところに行って拾ってくるんですって。沖縄はアイスクリームをあまり食べないそうだ。あまりにも暑すぎてアイスクリームはべたつくから進まないそうだ。

 ふーん、なるほどねぇ。で、沖縄のお墓にあげる花は何とハイビスカスだとか。だから、沖縄の人たちはハイビスカスを頭に差している人を初めてみたとき大変驚いたそうだ。何でお墓の花を頭にって思ったのだろうね。私達が彼岸花を頭に差しているようなものですね。聞いてみないとわからないことばかりでとっても楽しかった。テーブルの中もこれらの話題で大変盛り上がった。

 最後はみんなで踊って楽しくお開きでした。ずっとずっと笑いっぱなしの懇親会でした。私達のテーブルはクイズで100点を取って、じゃんけんで勝ち、優勝!沖縄の木の葉で作った団扇を人数分いただいた。これがまた、仰ぐととても涼しくて驚いた。

 このあと、部屋に戻ったSさんは、泡盛を水割りで飲んで、いい気分。同室者が帰室したときには気持ちよく床に寝ていたそうだ。
さあ、明日はいよいよ大会本番だ。   つづく

失語症と風景
失語症の風景

その2
その2


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最終更新日: 2004/01/10