失語症記念館
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2001年11月: 2/15頁

 みなさんがこの小冊子で目にすることは、すべてシャーリーの考えです。そして、書かれている体験はすべて彼女自身が経験したことです。彼女が自分で語り、それを私が書き取りました。表情や、声の調子、ジェスチャーといった持てる限りの手段を用いて、彼女は語り私に訴えかけました。私はシャーリーの話を正確な英語に置き換え、彼女に読んでもらいました。そして、彼女の伝えたいことが正確に表現できるまで、二人で何度も書き直しをしました。時にシャーリーは、話す代わりに文字を書いて伝えてくれました。この部分は太字に緑の背景色をつけて<シャーリー書>と示しています。

  シャーリーが話したことばそのままの部分は、太字に黄色の背景色をつけて<シャーリー談>と示しています。あなたがご存知の失語症の方が、彼女と同じタイプ(ブローカ失語中等度あるいは、表出性失語中等度。失文法が目立つ)であれば、彼女が今使っていることばがどんなものかおわかりになると思います。

 でも、もしあなた自身やあなたのお友達、家族がシャーリーとは異なるタイプの失語症で、彼女とは全く違う話し方をする場合、あるいは全く話すことができない場合でも、彼女が語ってくれる多くのことはきっとお役に立つと思います。
  リサ・メン

*  *  *  シャーリーが語る「失語症とともに」  *  *  *

この本について
 今だから言えますが、「本を書きましょう」と言われた時、「あなた書く、誰が読むだろうか」<シャーリー談>と思いました。でも今は、この本を読んでくれた人はここに書いてある体験をきっと少しは分かってくれるだろうし、そうすれば失語症者の暮らしがどんなものなのかもっと理解してくれるようになるだろうと思っています。
 もちろん、人の体験はそれぞれ違うので、失語症者すべての暮らしが私と同じ訳ではありませんが。
失語症はさまざま
 まず本文を始める前に、失語症にはさまざまな種類があるということをはっきりさせておきましょう。多くの人は、ある特定のタイプの失語症についてしか聞いたことがないと思います。つまり、自分自身や友人、家族の失語症のタイプです。私も、大学のスピーチクリニックのパネルディスカッションで、他の失語症の方に会うまではよく分かりませんでした。私が出会った多くの失語症者の中で、私と似た話し方をする方は一人だけでした。

その1
その1

シャーリー
シャーリー

その3
その3


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最終更新日: 2001/11/18