失語症記念館
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2001年11月: 3/15頁

毎日がうんざり
無知で無作法な人々 
 一週間ほど前のある日、電話がかかってきました。私が、「もしもし」というと相手の男性は、「お母さんいる?」というのです。
 こんなことが、病気になってからの12年間しょっちゅうあります。
 私は前のままの私です。でも、私が話すのを聞いた人はどこか変わった話し方だと感じるようです。ことばがずいぶん良くなったと自分では思っていても、こんなことがあるとすっかりやる気が失せてしまいます。
 私はいらいらして、
「ママ忙しい」<シャーリー談>と言って、ガチャンと受話器を置きました。
 それなのに、ほんの30分もするとまた同じ男性から電話がかかり、同じことが繰り返されました。
 私は言ってやりました。「ママが言った:邪魔しないで」<シャーリー談>
 それにしても、こんな失礼なことを言われて我慢するのはとても難しいことです。もし眼の前にいたら、怒ってやったのですが。
シャーリ1
泣いたり笑ったり
 病気になってはじめの4年間は、ちょっとおかしなことがあるとすぐに笑い始め、笑っているうちに今度は泣き出してしまうことがよくありました。でも、私は決して悲しいと感じたわけではないのです。私の頭がどうして良いか分からない。変わる、今、私は笑う、泣かない<シャーリー談>。

他の人はどう思うのだろう?
 スポーツの試合を見に行くと、開会式のプログラムに国歌斉唱がよくあります。その時に、胸に手を当てて敬意を表することができません。起立することはできるのですが、胸に手を当てるには、左手を使って右手を胸まで持ち上げなければなりませんし、右手を持ち上げたままでいるのは麻痺があるので大変なのです。
 それに歌詞を歌うこともできません。私が歌わないので、周りの人は私のことをおかしな人だと思うのではないかと気になります。だからといって、スポーツの試合を見に行かないということはありませんが。

その2
その2

シャーリー
シャーリー

その4
その4


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最終更新日: 2001/11/18