失語症記念館
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2001年11月: 4/15頁

 退院してすぐにレストランに行った時は、周りの人が私のことを哀れみの眼で見ているように感じました。でも、そんなことには負けずにしっかりしていよう、同情を求めないようにしようと決心しました。
 夫のエイブとレストランに行った時、彼が最初は必要以上に私を守ろうとしているように感じました。私はできるだけ自立していたいと思っていましたが、周りの人は私がそう考えているということを知りませんでした。もし夫が私の手助けをしなかったら、周りの人は夫が私の介護をきちんとしていないと思ったかもしれません。

 私の周りはいつでもどこでもこんなことばかり…


欲求不満
 私は話せないので、どうしても人の話を聞くことが多くなりがちです。いやではないのですが、できれば何か一言意見を言うことができたらいいのにと思います。
 テレビ番組で出演者が訳知り顔で分別くさい話をしている時など、私も話すことができたらどんなにいいだろうと思います。「そんなふうに決めつけてはいけません、他の視点からも考えてみなさい…」と言ってやりたい人もいるし、「なるほど、そんなに政治的にきちんとした意見をもっているのですね、ところで選挙には行ったの?」と言ってやりたい人もいます。
 

 「脳卒中の時、一番下の孫のサムは3歳でした。サムに本を読んでやることができずに私は泣きます。これはつらい、本当につらい。今でも、子供たちに本を読んでやることができません。」
<シャーリー談>
私は病気になる前は、3ヶ月ごとに娘のエレンとその夫のブルース、孫たちを訪ねました。そして、上の二人の孫のアダムとシェリ−の宿題を手伝ってやったものでした。

人の中にいること
 大家族が一度に集まった時のように、あまり人がたくさんいると、自分の部屋に隠れていたいと思ったものです。そのような場ではみんなが話していることを聞き取るのは、とても難しいことでした。私はいらいらしてくたびれてしまいます。難聴の方も同じような不便があるのでしょうが、私は聞こえてはいるのです。

おそらく私の助けになっている特技
 ずっと昔、私はふざけて人の真似をするのが好きでした。今でも、パネルディスカッションなどで他の失語症者に会うと、家にもどって真似をします。そうすると、家族は私が誰に会ってきたかが分かるのです。

その3
その3

シャーリー
シャーリー

その5
その5


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最終更新日: 2001/11/18