2005年06月 |
黄門さまの衣装に身を包んだのは良いが、暑い！暑すぎる！会場の中に入れば涼しいかと思い、階段を上がればまた汗をかく。途中すれ違ったボランティアの若い子たちが、「水戸黄門だ！」「黄門さまだ！」と会う事に囁く。水戸黄門さまの威力に、今更ながらに驚かされた。
会場の椅子に座ってみたものの、どうも落ち着かない。結局舞台袖の入り口に座り瞑想することに。本当は、今からの口上を考えておかねばならないのにさっきのメール友の会顔合わせに想いがはせてしまう。
清水さんはいつ見ても綺麗だけれど、今日は車椅子に乗っていたから驚いてしまった。何と沖縄旅行を前にして、骨折したという。ギプスをはめての沖縄上陸。沖縄大会への意気込みが、気持ちが違う！車の乗り降りや階段はご主人がおぶってくれて移動しているという。何と優しいご主人。「ご主人も一緒に参加すればよいのに」と言ったら、「とても見せられません。」というお答え。おお、もったいなくて見せられないとはよほど素敵なご主人に違いない。次の機会には絶対ウォッチングを決めるぞ！
と心に誓った吉田でした。
どこかでよく見た顔だと思ったら、若い失語の会から岩沢さんが一人で参加されていた。「貧乏旅行です！」って言っていたけど、行動力あるなぁ。一人で来たんだ、すごいなぁ。たくましい岩沢さんはニコニコしながら、みんなの話に耳を傾けていた。名刺には多摩失語症友の会と書いてあった。しかし、岩沢さんは初めて会ったときから全然年をとっていない気がする。若い失語症の会だからかなぁ。何か秘訣があるのなら今度教えてもらわねば。
うちの会のSさんが、社会復帰に７年かかったんだよって言う話をみんな熱心に聞いてくださった。「諦めたときがゴールになっちゃうのだから諦めないでいつまでも夢と希望を！」これが今回の私の話。
生きているって素晴らしい。雨の沖縄もまたおつなものだし、生きているからこそ泣いたり笑ったりできるのだ。夜のあとには必ず朝が来るように、悲しいことのあとには絶対、楽しい事がある。顔あわせに出て先輩や仲間がいるってこんなにも心強いものなんだとまた実感。
ああ、ダメだ。メール友の会のことなんか懐かしく嬉しく思っている場合じゃない。
舞台に上がる時間が刻々と近付いてくる。ふうう、うまくやれるかな。
ああ、時間になっちゃった。茨城県民のみんなの顔が紅潮している。私は少し青ざめていた。
「静まれ、静まれ〜っ！頭が高い、頭が高い！このお方をどなたと心得る！先の副将軍水戸黄門さまにあらせられるぞ！ひかえおろう〜っ！」会場がどっと湧いた。失語症の人にもお年寄りにも大人気の黄門さまだ。日本国民の大半がこの言葉を言えるんじゃないだろうか。誰もが知っている合い言葉のようで、ちょっと嬉しい。可愛いSTちゃんの甲高い声はそれはそれは可愛く会場に響き渡った。
「私が水戸黄門です！（笑）角さんと助さんは飛行機代がなかったので今回沖縄には一人で来ましたよ。（笑）その代わりと言っては何ですが、水戸から良い土産を持ってきました。失語症全国大会バージョン、メイドイン茨城大会記念バンダナ、ただ今１枚１０００円で販売中。お帰りの際は片手に１０００円札を持って玄関をお出になりなさい。（笑）そうそう来年は茨城大会です。助さん角さん共に揃えて茨城でお待ちしておりますから、皆さん、つつしんで来るがよろしい。もし来なければ、追って藩侯より厳しいお沙汰がくだることになるでしょう。ほっほっほっほっほ！（会場大爆笑）」
舞台の茨城県民が声を不揃いにさせながら、『茨城に来たらよかっぺ〜！』そして最後に我らが応援団長のSさんが
「失語症に負けないぞ〜！ふれ〜ふれ〜っ！沖縄！ふれ〜ふれ〜っ！茨城！」とエールを送った。
・ ・・本当は声を揃えるはずだったのに・・・まあ、それも愛嬌にしておきましょう。さようなら沖縄大会。沢山の思い出をくれてありがとう！
会場の出口に正直かつ善良な人々が、片手に１０００円を握りしめながらたくさんやってきた。バンダナを買って下さった皆さん、ありがとう。大切な大会運営資金として活用させていただきます。
そしてしばしの間吉田黄門は、バンダナを買って下さった皆さんのご要望にお応えし、一緒に写真撮影。
「黄門さん、茨城に行くからなぁ！」沢山の方々にこのような言葉をかけていただき、「お待ちしておりますよ。ほっほっほ！」と答えながら、
『こんなに沢山の人が茨城に来ちゃうのかぁ・・・どうしよう』と胃が痛くなる吉田であった。
それにしても本当に楽しい沖縄大会でした。ありがとう皆様。ありがとう沖縄。またお会いしましょう！ おしまい
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